さらば、ナイアガラ

一年を締め括ったあとで、大瀧詠一さんの訃報を聞いて驚いている。

山下達郎さんの「FOR YOU」と、大瀧さんの「LONG VACATION」。
中学時代に僕が見つけ得た、もっとも洗練された日本の音楽だった。
ロック界?ではRCやMODS、歌謡界ではちょうど奇抜でとんがっていた時代の沢田研二。そのどちらともつかないところで突っ走っていたサザン…。
自分にとって、当時、国内のミュージシャンで他に何かグッときた音楽はあっただろうか?
…実際あったかもしれない、と思う。だが、忘れてしまった。その程度のものだったのだろう。

しかし、
「雨のウェンズデイ」、「恋するカレン」、「カナリア諸島にて」…。
あの、ロンバケの曲たちをレコードにあわせて歌いまくり、その主人公になりきって、どんだけ夢を見せてもらっただろう…。

そして、松田聖子山口百恵、シャネルズ(ラッツ&スター)、森進一…。
歌謡界のトップ10へ次々と様々な楽曲を送り込んで席巻した。

僕はその後、
上京してからようやく、はっぴいえんどにハマった。


そして今や、はっぴいえんどは僕のキラ星だ。


僕自身、音楽を自分で作るようになってから、大瀧さんのプロデュース、音作りが、どれだけ凄いものか、分るようになった。
達郎さん同様、職人という言葉がふさわしく呼びかわされるミュージシャンだった。


30日の午後、食後にリンゴを食べていたところ倒れ、病院に搬送され帰らぬ人となった。解離性動脈瘤ということだ。65歳。




"お正月といえば
炬燵を囲んでお雑煮を食べながら
歌留多をしていたものです"
はっぴいえんど/「春よ来い」


あぁ、洒落にもならない、寂しい年の暮れだ。