友人の引越し

かつて、

一度ウチに遊びに来た友だちが、引っ越しで部屋を探しているというとき、たまたま我が家のアパートの二軒隣の部屋が空いていたので勝手に紹介して、即決。それが2009年の師走だった。
引っ越しを手伝ったのが大晦日だったような気がする。


それからは彼も僕ら夫婦を、姉さん(もしかしたら姐さん?)・パパと呼び、それこそ醤油の貸し借りじゃないが、留守中のゴミ出しやら宅配の受け取り、ギターやCDの貸し借りなど、たまには嫁と押しかけてお茶したり、いろいろ忠告やお節介もした。お互いに時代的で?いいお隣さん付き合いだった。


その彼も昨日、彼女との新居へ引っ越して行った。
ようやく結婚へ踏み切れたようで、嬉しい別れ。


引っ越し業者に全部やってもらうプランだったようで、
昼間までなにも変わらずに生活の「場」だった部屋が、業者がやって来て(大遅刻)、ものの2時間ちょっとですっからかん。
あっけないものだ。
自分なら、そんな引っ越しは気持ちか着いていかなくて、いろいろ戸惑うだろうに。

荷物の箱詰めとか、処分品の仕分けとか、本当に厄介だけど、
いやがおうでも一つ一つの自分の持ち物に対峙し、自分がどんなものを所有していたのか、そこでの生活がどうあったのか、自分ならば、そういう作業をすることで新しい環境へと気持ちを切り替えて行くことができる気がする。

夜、妻と二人で、
明かりのない、急にぽかんと空き家になった部屋の窓を見上げ、
まだ、懐かしさも込み上げて来ないあっけなさに、別れの切なさも味わえないでいる。

アパートの下の階に住む可愛い猫たちだけが、何も変わらずに暑さ凌ぎに涼みに出てきて、僕らとつかの間じゃれ合ってくれるのがとってもありがたくいとおしい。


Eちゃん、どうかお幸せに〜。